簡単解説!インピーダンス 信号伝送編

DTM

音響業界でよく耳にするインピーダンス

「インピーダンスがハイだのローだの、耳にはするけどよくわからん」って人は案外多いのではないのでしょうか?

なんとなく知ってはいる人もいざ説明してって言われると難しいですよね。

別の記事で、このインピーダンスという言葉がよく使われる場面は「スピーカーの接続」「楽器などの信号伝送」の2種類と紹介させていただきました。

この記事では、「楽器などの信号伝送」について使われるインピーダンスを解説します。

スピーカー編と似たような言葉も多いですが、言葉の意味を区別できるようになりましょう。

簡単解説!インピーダンス スピーカー編
音響分野でよく聞くインピーダンスについて解説します。この記事ではスピーカー接続に関するインピーダンスについて、実例を用いて解説します。
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インピーダンスとは おさらい

インピーダンスとはオームの法則で言う「抵抗」に当たる部分です。

使われる場面が違っていても意味が変わることはありません。

そのため

インピーダンス(抵抗)が大きくなると電流が流れにくい。
インピーダンス(抵抗)が小さくなると電流が流れやすい。

という前回説明した鉄則も変わることはありません。

なんとなく「抵抗」という言葉のイメージ通りでわかりやすいでしょうか?

鉄則の表現を変えてみると…?

では、この鉄則を別の言い方に言い換えてみましょう。

ハイインピーダンスでは少ない電流で伝送している。
ローインピーダンスでは多くの電流で伝送している。

この言葉の言い換えが理解できるかどうかが今回の最重要ポイントです!

言葉だけで難しかった方は、オームの法則を思い出してください。

$$ V=R\times{I}$$

例えば電圧が100Vで一定だとしましょう。

インピーダンス(抵抗)が100Ωの時、電流は1Aで済みますね。
インピーダンス(抵抗)が1Ωであれば、電流は100A必要です。

これでインピーダンスの大きい時小さい時の挙動がイメージつきましたでしょうか?

ハイ、ローの基準は?

何Ωからがハイでローなの?と気になる方もいるかもしれません。

「スピーカー接続」の文脈でインピーダンスと言うと、ローインピーダンスは2~8Ω程度、ハイインピーダンスは100Ω〜1kΩとかそのくらいだと説明しました。

「信号伝送」に関するインピーダンスの話では、ローとハイは何Ωぐらいといった考え方はあまりしません。

相手と比べて高いか低いかでローインピーダンスかハイインピーダンスかを考えます。

じゃあその相手って???

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出力インピーダンスと入力インピーダンス

音響機器は電気信号の入出力で成り立っています。

ミキサーエフェクター等の音響機器を触ったことがある人なら、入力(INPUT)と出力(アウトプット)の表記を見たことがありますよね。

電気信号の受け渡しをするまさにこの端子部分にインピーダンスが関係しているのです。

出力端子にかかるインピーダンスを「出力インピーダンス」
入力端子にかかるインピーダンスを「入力インピーダンス」

と呼びます。

勘のいい方はお気づきかもしれませんが、接続する機器同士の出力インピーダンスと入力インピーダンスを比べてハイインピーダンス/ローインピーダンスと呼んでいるのです。

YAMAHAのミキサーMGシリーズの仕様を見てみましょう。

YAMAHAホームページより

入力端子・出力端子それぞれにインピーダンスの値が記載されています。

ミキサーの次に繋ぐものとしてアンプMA/PAシリーズの仕様を見てみましょう。

YAMAHAホームページより

こちらも入力インピーダンスが記載されていますね。

入力インピーダンスの方が出力インピーダンスに比べて高くなっていることがわかります。

システムブロック図を作ろう
機器システムの接続方法、システムの変更・拡張の方法を楽に考えられるようになるシステムブロック図を描けるようになりましょう!
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ハイ受けロー出し

音響機器の接続には「ハイ受けロー出し」や「インピーダンスマッチング」という習わしがあります。

有名なので言葉だけ聞いたことがある人も多いと思います。

これらももう少し丁寧に言い換えると

(接続相手に比べて)ハイ受け、(接続相手に比べて)ロー出し」
「(接続相手と)インピーダンスマッチング」

となります。

ハイ受けロー出しやインピーダンスマッチングは、伝送信号を欠損なく伝えるために非常に重要なことです。

先程のミキサーとアンプの入出力インピーダンスも「ハイ受けロー出し」になっていましたね。

「インピーダンスマッチング」とは本来、入出力のインピーダンスの値を揃えることを意味します。

しかし近年「ハイ受けロー出し」にすることを「インピーダンスマッチング」と呼ぶ人も見かけますが、厳密には間違いなので気をつけましょう。

いずれにせよ、入力インピーダンス≧出力インピーダンスの関係は必ず守るようにしてください。

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インピーダンスを気にしなければならない信号伝送って??

オーディオの信号はマイクレベル・ラインレベル・楽器レベル・スピーカーレベルの4種類に分けられます。

詳しくは別記事を読んでみてください。

簡単解説!マイクレベル・ラインレベル
マイクレベル・ラインレベルについて、実はオームの法則さえ知っていれば簡単に理解ができます!

インピーダンスは比較的電圧の小さい、マイクレベル・ラインレベル・楽器レベルで気をつける必要がありますが、最も注意すべきなのは楽器レベルです。

マイクやラインレベルを扱う音響機器は何も考えずに接続してもうまくいく場合がほとんどです。

一方で楽器のインピーダンスは一般的に高めであり、ミキサーにそのまま接続してしまうと「ロー受けハイ出し」の状態となってしまうことがあります。

一般的にエレキギターの出力インピーダンスは200k~500kΩと言われています。

ミキサーの仕様を確認してみると入力インピーダンスは3k~10kΩとなっています。

エレキギターをミキサーに接続したい時はDI(ダイレクトボックス)などを用いて、インピーダンスを小さくするようにしてください。

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オーディオインターフェース

DTMで必須であるオーディオインターフェースですが、何も設定していないと入力インピーダンスは楽器の出力インピーダンスに比べて小さいのでそのまま繋ぐのはNGです。

しかし一般的なオーディオインターフェースには便利機能がついています。

機器によって表記は違いますが、入力インピーダンスを大きくする機能が備わっているのです。

例えばForcusrite製品では「INST」と表記されています。(楽器を意味するInstrumentの略ですね。)

Steinberg製品では「HI-Z」と表記されています。

ハイインピーダンスモードをONにしていなくても楽器の録音はできてしまいますが、それは本来の音ではありません。

DTMerで楽器を直接接続している人で知らなかった人は、今一度オーディオインターフェースの設定を見直してみてください!

正しい機器の接続をして良い音でDTMを楽しんでくださいね。

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まとめ

信号伝送に関するインピーダンスについて解説しました。

スピーカー接続に関するインピーダンスの記事と合わせて読むと、同じ言葉でも少し意味合いが違うことがわかるかと思います。

音声伝送に関するインピーダンスについては、PAさんやスタジオで機器に触れている人だけでなく、家でDTMをしている人にも深く関係する内容なのでしっかり覚えておきましょう!

この記事が誰かの役に立てば幸いです。

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