システムブロック図を作ろう
近年、 どんな機器も単独で動作させるものは少なくなってきています。
TVを例にとっても、TVだけで使用しているというよりはブルーレイレコーダーやゲーム機を接続して使用している人も多いのではないでしょうか?
接続する機器が多くなってきたときに、機器同士の接続を一目で理解できるように書かれた図をシステムブロック図と呼びます。
システムブロック図を理解できるようになれば、接続方法はもちろん、システムの変更・拡張の方法を楽に考えられるようになり、トラブルの切り分けにも役立ちます。
システム設計初心者や、何らかの機器を扱う方はこの記事を参考にしてください。
システムブロック図とは
「システムブロック図」と言われても聞き馴染みのない方には難しく聞こえるかもしれませんが、
読んで字のごとくシステム(ここでは機器同士の構成)をブロックで描いた図のことです。
システムブロック図の描き方に特に決まりはありません。
どの機器がどの機器と繋がっているのか、機器をブロックとして作図しブロック同士を線で繋ぐだけです。
例えばCDプレーヤー、アンプ、スピーカーを接続するとしてシステムブロック図を描いたのが以下のものです。
特に作図ルールはありませんが、誰がみても分かりやすいよう心がけて作図することが重要です。
大きなシステムになるとなかなか難しいですが、私は普段
左側がInput,右側がOutput
になるよう心がけて作図しています。
この場合は、CDプレーヤーからの信号がアンプを通ってスピーカーから出力されるので、CDプレーヤー→アンプ→スピーカーの順番で作図しています。
機器の型番や機器同士を繋ぐ線種も記載するとより分かりやすくなります。
これらを記載しておくことで後述する管理や拡張・変更の際に役立ちます。
また、施設のシステム設計をしている方にぜひ記載していて欲しい項目は電源コンセントの有無です。
電源コンセントが何口必要か事前に知ることができると現場であたふたせずに済みます。
必要な口数の揃っている電源タップを用意しましょう。
「コンセントの口数が足りなかった!」というのはあるあるなので注意しましょう。
システムブロック図を作るメリット
機器を変更・拡張したい時に使用する
例えば先程のスピーカーシステムを納品後に、先方から次のような要望がありました。
「レコードプレーヤーからも音楽を聞きたい」
さぁどのようにして先方の要望に応えましょう。
この要望に応えるため、2通りの方法を作図して検討してみます
1.ミキサーを導入する
ミキサーにプレーヤー2台からの出力を接続することで、どちらのプレーヤからも音楽を聞くことができます。
ただし、両方のプレーヤーが同時に再生されてしまうと同時にスピーカーから音楽が流れるようになります。
2.アンプにレコードプレーヤーを接続する
既存システムのアンプMA2030aは入力が3つあるタイプのアンプです。
つまりレコードプレーヤーの出力を追加で接続するだけで、どちらのプレーヤーからも音楽を聞くことができます。
このアンプは再生させる入力を選択するタイプなので、つまみを操作する必要はありますが、同時に2つのプレーヤーの音が混ざって再生されることはありません。
どちらの方法も要望は満たしているので正解です。
コスト・手間・拡張性を考慮してどういったシステムが最適かを検討しましょう。
システム構成を管理できる
家庭内のAV機器にしろ施設の設備にしろシステム構成は日々更新されていくものです。
システム構成が更新されるたびにシステムブロック図を更新するようにしておけば、自分でも全容を把握しておけますし、そのシステムを引き継ぐ人がいる場合にも有効です。
いざ機材を買ったはいいが、接続する機材の端子が間違っていたり、入力数が足りなかったりで使えなかったといった経験をした人もいるのではないでしょうか?
そういった無駄をなくすためにも、機器構成はシステムブロック図として記録しておきましょう。
トラブル原因の切り分けに利用できる
映像が出ない、音が出ない、ネットワークが繋がらない、など機材にトラブルはつきものです。
トラブルの切り分けのためにもシステムブロック図は有効です。
機材トラブルがあった際、トラブルシューティングとしてまずすべき行動は問題のある機器が何と接続されているのかを確認し、複数繋がっている場合はどれか接続を外して症状を確認することです。
トラブル時にいざ機器現物を見てみると、何と何が繋がっているのか配線が多すぎてわからないといった場合も多々あります。
こういった時にシステムブロック図を活用し、取り外しが必要な線、そうでない線を区別しましょう。
システムブロック図を作ってみよう
家庭内にある機器類のシステムブロック図を作ってみましょう。
例として我が家のリビングのシステムブロック図を紹介します。
どうでしょう?ここまで読んでいただいた方はもうシステムブロック図を読み取れるようになっているはずです。
ちょっとした工夫として、スピーカーを分かりやすくスピーカーアイコンに置き換えてみました。
絶対にブロックでなければならないというルールもないので、自由に分かりやすいよう作ってみてください。
まとめ
システムブロック図についての考え方、具体例を紹介しました。
絶対にこうしなければならない!というルールはないので、まずは自分なりに作ってみてください。
作図したシステムブロック図でぜひ皆さんの家のシステム構成を教えてください。
機器を扱うどなたかの参考になれば幸いです。