簡単解説!インピーダンス スピーカー編

音響機材

音響の世界ではこのインピーダンスという言葉をよく耳にします。

なんとなくとっつきにくい言葉ですが、よく使われる場面は大きく2種類です。(めっちゃ主観ですが…

2種類と聞くと何だか簡単に思えてきませんか?

実際にはもっといろんな場面で使われますが、こと音響分野についてはこの2種類だけ抑えておけば問題ないかと思います。

先に言ってしまいますが、よく使われる場面とは「スピーカーの接続」 「楽器などの信号伝送」の2種類です。

この記事では「スピーカーの接続」について使われるインピーダンスについて解説します。

インピーダンスって言葉を聞いても怯えないで済むようこの記事で言葉の意味を整理しましょう!

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インピーダンスってなんぞ

インピーダンスとはオームの法則で言うところの「抵抗」にあたる部分と考えてください。

インピーダンスはZと表現され、単位も抵抗と同じオーム[Ω]を使います。

インピーダンスが高いと抵抗が大きいと言う意味になり、電流は流れにくくなります。
逆に、インピーダンスが低いと抵抗が小さいので電流は流れやすくなります。

ここが一番大事なので、この2行だけは絶対に理解していてください!

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ローインピーダンス接続とハイインピーダンス接続

スピーカーとアンプの接続方法には2種類あり、それが「ローインピーダンス接続」と「ハイインピーダンス接続」です。

上で説明した内容で言い換えると「電流が流れやすい接続」「電流が流れにくい接続」という意味になりますね。

例としてYAMAHAのスピーカーVXS5の仕様を見てみましょう。

YAMAHA ホームページより引用

仕様の中に定格インピーダンスとあり、この中にLo-Z100V系、70V系と分かれています。

Lo-Zがローインピーダンスを意味していて値は8Ω100V系/70V系がハイインピーダンスを意味しており値は170Ωから1.3kΩです。

詳細は後述しますが、スピーカー接続におけるインピーダンスの値についてハイ/ローでどのくらいの値なのかは知っておくと良いですよ。

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ローインピーダンス接続

まずはローインピーダンス接続から見ていきましょう。

これは先述したとおり電流が流れやすい接続になるため、少ない電流でスピーカーを効率よく動かすことができます。

ローインピーダンス接続は最もオーソドックスな接続方法で、一般にスピーカーの接続はほとんどローインピーダンス接続です。

ローインピーダンス接続で注意すべきポイントはアンプの選定です。

アンプのインピーダンス≦スピーカーのインピーダンス

となるようアンプを選定する必要があります。

この理由も電流の流れやすさを頭に入れておくと理解しやすいですよ。

スピーカーの方が電流が流れやすい状態だとアンプの出力を大きくした時に大きな電流が流れてスピーカーを痛めてしまいます。

スピーカーを痛めないためにも、アンプとスピーカーのインピーダンスは確認しておきましょう。

YAMAHA ホームページより引用

YAMAHAのパワーアンプMA/PAシリーズを見てみると、ローインピーダンスの欄に3Ω〜8Ωの数値が書いてありますね。

スピーカーを選ぶときはこの数値以下のスピーカーを選ばないようにし、また接続するときのアンプの設定はスピーカーのインピーダンス以下の設定にしましょう。

並列接続

並列接続システム例

一般的にスピーカーの接続は基本的にはアンプ1チャンネルにつき1スピーカーです。

しかし、スピーカーを並列接続(渡り接続とも)することで1チャンネルにつき複数のスピーカーを接続することができます!

まるで裏技のようですが、ここで注意する必要があるのがインピーダンスです。

インピーダンスは抵抗と考えてくださいと冒頭に述べましたが、その考え方がここで生きてきます!

スピーカーを複数接続するとインピーダンスの値が変化します。

計算の方法は抵抗値の足し算と同じです。

並列接続の場合、抵抗値の足し算は

$$ \frac{1}{合成抵抗}=\frac{1}{抵抗1}+\frac{1}{抵抗2}+\frac{1}{抵抗3}・・・$$

となります。

例えば8Ωのスピーカーを2台接続した場合は全体のインピーダンスは4Ωとなります。

では4台接続した場合はどうでしょうか、同様に計算すると2Ωとなります。

スピーカーを増やしていくとどんどんインピーダンスは小さくなっていき、電流が流れやすい状態になってしまいます。

アンプのインピーダンス≦スピーカーのインピーダンスの関係が守られているうちは大丈夫ですが、この関係が逆転してしまうとスピーカーを痛めてしまいます。

スピーカーを並列に接続するときは台数に注意するようにしましょう。

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ハイインピーダンス接続

店内BGMなど複数スピーカーは欲しいけどチャンネルは1つで十分といった場合、ローインピーダンス接続では台数を増やしていくとアンプのチャンネルも増やしていく必要があります。

そんな時に役に立つのがハイインピーダンス接続です。

ハイインピーダンス接続では、アンプの出力≧スピーカー定格入力の合計値の範囲であれば何台でもスピーカーを接続することが可能です。

何台まで接続できるのか計算してみましょう!

VXS5の仕様を再度見てみましょう。

YAMAHA ホームページより

ハイインピーダンスの欄(100V系/70V系)を見ると、複数の定格入力の数値とインピーダンスの値が記載されています。

インピーダンスの値が大きくなると、定格入力の数値は小さくなっていることがわかります。

オームの法則から

$$ V=\sqrt{RW} $$

なので、電圧が一定の時、抵抗が大きくなると電力は小さくなります

電力を定格入力、抵抗をインピーダンスに置き換えれば同じことが言えますね。

定格入力が大きければ大きいほど電流が流れやすくなるので大きな音を出すことができます。

例えばVXS5をハイインピーダンス接続(100V系、30W)で接続する場合、パワーアンプMA2120で何台接続できるでしょうか。

パワーアンプの仕様を確認しましょう。

YAMAHA ホームページより

120W×2ch@70/100V系と表記がありますね。

1チャンネルにつき合計120Wまでスピーカーを接続することができますと言った意味になるので、VXS5(100V系、30W)は1チャンネルにつき4台接続することができますね。

スピーカーの設定を100V系,7.5Wに変更した場合、さらに接続できる台数は増えますが出せる音量は小さくなります。

ちなみに100V系/70V系と2種類ありますが、日本で使用する場合は100V系で使用すると覚えておけば問題ありません。

ハイインピーダンス接続のメリット

一般的にスピーカー接続はローインピーダンス接続がほとんどと言いましたが、ハイインピーダンス接続のメリットは何があるのでしょうか?

まずは上で説明した通りスピーカーの台数を増やせると言ったところが大きなメリットと言えるでしょう。

また何度も言いますがハイインピーダンス接続は電流が流れにくい接続です。

言い換えると少ない電流で再生させることが可能であり、これはノイズにも強く長距離伝送にも強いと言った意味にもなります。

こういったところもハイインピーダンス接続のメリットと言えるでしょう。

具体的には館内BGM・非常放送設備など長距離伝送かつ多くのスピーカーを必要とする場合に用いられることが多いです。

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まとめ

この記事ではスピーカー接続に関するインピーダンスの意味を解説しました。

実際のスピーカー・アンプ選定の仕方など含めて解説しましたが、オームの法則さえ知っていれば理解できる内容だと思います。

大事なところだけ以下まとめておきますので、インピーダンスについての理解を深めて正しくスピーカーを接続できるようになりましょう!

インピーダンスとは
・インピーダンスとは抵抗と同義
・インピーダンスが高いと電流は流れにくく、低いと流れやすい

ローインピーダンス接続
・一般にスピーカー接続はローインピーダンス接続(2Ω〜8Ωがほとんど)
・アンプのインピーダンス≦スピーカーのインピーダンス
・ローインピーダンス接続でスピーカーを並列接続するとインピーダンスは低下する

ハイインピーダンス接続
・ハイインピーダンス接続は多くのスピーカーを接続可能
・アンプの出力≧スピーカー定格入力の合計値
・ハイインピーダンス接続は長距離伝送・ノイズに強い

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