機材によって意味が違う?”CUE”って何?
音響機器でCUEという機能について聞いたことがありますか?
CDプレーヤーやDJ機器についていることが多い機能ですが、実は機材によって意味が変わるのです。
この記事ではCUEとはなんぞやといった説明から、言葉の意味の使い分けについて説明します。
また個人的オススメ機能の“AUTO CUE”機能について実機を例に紹介していきます。
CUEってなんだ
CUEという言葉をまず辞書で引いてみます。
“合図、きっかけ”といった意味が出てきます。
大きくこの辞書の意味から外れることはないですが、音響用語としての”CUE”はこの言葉のままだと理解しづらいかもしれません。
CUEという言葉が使われる機器が音源再生機なのかミキサーなのかで意味合いが変わってきます。
それぞれ解説していきます。
音源再生機のCUE
CUEという言葉はDJ用語としてよく耳にします。
DJ機器には”CUE”というボタンがついています。
これは設定したポイントから一時的に曲を再生させるボタンです。
曲のどこから再生するか、再生ポイントを設定することをCUE打ちと言います。
DJ用語でいうCUEは、“頭出しポイント”という意味で使われています。
CUE打ちは、「自分で頭出しポイントを設定する。」
このような解釈で理解するとわかりやすいですよ。
DJコントローラーも音源再生機の1種なので、音源再生機のCUEは”頭出しポイント”と覚えておきましょう。
ミキサーのCUE
ミキサーにも”CUE”と書かれたボタンがついていることがあります。
例えばYAMAHAの高級卓QLシリーズとかもそうですね。
これは先ほど説明した音源再生機のCUEとは少し意味合いが異なります。
ミキサーについているCUEボタンはPFL(プリ・フェーダー・リッスン)ボタンとほぼ同じ意味で使われています。
CUEボタンを押すと、フェーダーが上がっていなくてもヘッドホンで音を確認することができます。
ミキサーについているCUEは、“合図を出すための確認“といった意味合いです。
特にDJ卓では、コントローラー部分にもミキサー部分にも”CUE”という表示がされていることがあり、ちゃんと理解していないと混乱してしまいますので注意してください。
AUTO CUE
CDの曲を再生するとき、「あれ?再生ボタン押したのに再生されてるかな?」と思ったことはありませんか?
そう言った時は大抵、再生は進んでいるのに曲の頭が無音だったり極端に小さい音からフェードインで入ってくるような曲だったりする場合が多いです。
そんな時に“AUTO CUE”機能を使うと、その無音部分は自動でカットして音が出るところから再生してくれるようになります。
ここでいうCUEは音源再生機のCUEなので”頭出しポイント”の意味ですね。
TASCAMのCDプレーヤーを例に見てみましょう。
本体にAUTO CUEの表示があり、ON/OFFが切り替えられます。
通常は一時停止をしてトラックを選ぶと、00:00:00の状態でスタンバイされます。
AUTO CUE機能をONにすると写真のように、00:00:11と途中からスタンバイしていてくれます。
この曲はあまり頭の空白がありませんが、曲によっては2,3秒空白があったりするものもあるのでそういった曲にこの機能を使うことが多いです。
ポン出しに最適
業務用CDプレーヤーについていることの多いこのAUTO CUE機能ですが、イベント会場でのポン出しに重宝します。
PCでポン出しすることも多くなっていますが、結婚式場など権利関係が厳しいところではでCDプレーヤーでの曲出し、ポン出しも未だによくあります。
ポン出しはタイミングが命です。
1秒以下ならまだごまかせるかもしれませんが、2,3秒の間を作ってしまうと場の雰囲気は一気に変わってしまいます。
欲しい時に欲しい音を再生させるためには、曲がどのタイミングで始まるか把握しておくことが大事です。
しかし、当日に初めて音源を渡される場合はチェックしている時間がなかったりもします。
そんな時にAUTO CUE機能を知っていれば適切なタイミングを自動で見つけてくれるので大変便利です。
まとめ
この記事では、音響用語のCUEという言葉の意味を解説しました。
CUEという言葉は使われる機器によって意味が以下のように変わります。
- 音源を再生させる機器についているCUEボタン:「頭出しポイント」
- ミキサーについているCUEボタン:「合図を出すための確認=PFL」
また、ポン出しを簡単便利にしてくれるAUTO CUE機能についても紹介しました。
業務用CDプレーヤーでしかなかなか見かけない機能ですが、機会がある方はぜひ試してみてください。
この記事が誰かの参考になれば幸いです。