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バンドのボーカルが聞こえない?音響機材の使い方で解決しよう!

Mr.わに

ライブパフォーマンスやリハーサル中、バンドのボーカルがうまく聞こえないという経験をしたことはありませんか?

ジャンルにもよりますがほとんどの場合、ボーカルはバンドのメインであり花形ポジションです。

にもかかわらず、他の楽器の音量に埋もれてしまい、全体的に残念な演奏に聞こえてしまうことがあります。

この問題は、初めてバンドを組んだ人だけが直面する問題ではなく、ベテランのミュージシャンまで多くの人が経験するよくある問題です。

しかし、機材の設定や使い方、さらにはバンドメンバー間のコミュニケーションによって、この問題は解決可能です!

本記事では、「バンドのボーカルが聞こえない」という問題を、音響機材の使い方を工夫して解決するための方法を紹介します。

マイクの選択からミキサーの設定、さらには音響環境への対応まで、具体的な手順とともに解説します。

バンドのボーカルが聞こえなくて悩んだ経験のある方は、ぜひ一度読んでみてください。

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問題の原因

バンドのボーカルが聞こえないという問題は、さまざまな要素が複雑に絡み合って生じます。

ここでは、主な原因を3つ紹介します。

音響機材の設定

当たり前のように聞こえますが、音響機材の設定はボーカルが聞こえない問題の一つの大きな要因です。

マイクの種類や設定、ミキサーの調整、スピーカーの配置といった要素が適切でないと、ボーカルの音量が他の楽器に比べて聞こえづらくなってしまうことがあります。

逆に言うと、設定を変えてあげることで解決できる場合も多いです。

バンドメンバーの演奏バランス

バンドの演奏は、各メンバーの楽器の音量バランスが重要です。

ドラムやギター、ベースなどの音量が大きすぎると、ボーカルが聞こえにくくなることがあります。

また、各楽器の音色や音域がボーカルと重なると、ボーカルが埋もれてしまうこともあります。

音響機材の適切な使い方

ボーカルが聞こえない問題を解決するための一つの鍵は、音響機材の適切な使い方です。

ここでは、マイクの選択、ミキサーの設定、モニタースピーカーの配置と調整について詳しく見ていきましょう。

マイクの選択と使い方

ボーカルの音質と音量に大きく影響を与えるのがマイクです。

マイクには様々な種類があり、それぞれ特性が異なります。

例えば、ダイナミックマイクは頑丈で扱いやすく、ライブパフォーマンスによく使われます。

一方、コンデンサーマイクは繊細な音を拾うことができ、スタジオ録音に適しています。

マイクの使い方も重要です。

  • マイクと口の距離
  • 角度
  • 向き

これらを適切に調整することで、ボーカルの音量と音質を最適化することができます。

ここでは、ライブパフォーマンスで広く使われているダイナミックマイク、SHUREのSM58を例に説明していきますね。

SM58は、その頑丈さと信頼性、そして優れた音質で知られています。

特にボーカル用に設計されているため、人間の声を自然に、そしてはっきりと拾うことができます。

SM58を使用する際の一つのポイントは、マイクの持ち方と位置です。

マイクを直接口に近づけすぎると、息音やポップノイズ(「p」や「b」の音)が強調される可能性があります。

スタジオ録音だと、ポップガードを使用してポップノイズを低減させますが、ライブだとそうはいきません。

一方、マイクを遠くに持ってしまうと、ボーカルの音量が小さくなり、他の楽器の音に埋もれてしまう可能性があります。

適切な距離は通常、口からマイクまでの約5-7.5cmとされています。

また、マイクは口を直接向けるのではなく、やや斜めに向けると、息音やポップノイズを抑えることができます。

次に、ミキサー側の設定にはなりますが、マイクのゲイン設定も重要です。

ゲインが高すぎると、音が歪んでしまったり、ハウリングを引き起こす可能性があります。

一方、ゲインが低すぎると、ボーカルの音量が小さくなります。ゲインは、ボーカルが最も大きな音を出したときに、ミキサーのメーターが赤色にならない程度に設定します。

これらのポイントを押さえ、マイクの適切な使い方を心掛けることで、ボーカルがしっかりと聞こえ、パフォーマンスを引き立てることができます。

ミキサーの設定

ミキサーは、各楽器の音量バランスを調整するための重要なツールです。

ボーカルが聞こえない場合、ミキサーの設定を見直すことで問題を解決できるかもしれません。

ミキサーの基本的な設定には、

ゲイン、EQ(イコライザー)、パン、エフェクトなどがあります。

ゲインは各チャンネルの入力レベルを調整します。EQは音の周波数特性を調整し、パンはステレオイメージを調整します。

エフェクトはリバーブやディレイなどの音響効果を追加します。

ゲインの設定は、最大の音量で声を出したときに一瞬ピークが点灯するぐらいまで上げましょう。

ゲインが低すぎると、いくらフェーダーを上げてもボーカルの声は前に出てきません。

声の大きさは人によって異なるので、それぞれのボーカルに合わせてしっかりと調整しましょう。

次にEQの設定です。

バンドで演奏を合わせている間に、ボーカルのEQを色々といじってみてください。

同じ音量でも聞こえやすくなったり、聞こえにくくなったりすると思います。

ひたすらEQをいじりながら、その中で最適な設定を探しましょう。

注意点として、ボーカル単体で声を出しているときに気持ちよく聞こえるようにEQを設定したとしても、それは最適な設定ではないかもしれません。

単体の音と、バンド全体で合わせた時で音の抜け具合は違ってきます。

ボーカルを際立たせるには他の楽器の周波数と被らないところを強調してあげるのがポイントですが、実際に音を鳴らしてEQをいじりながら探すのが一番の近道かと思います。

続いてパンの設定についてです。

ボーカルはほとんどの場合センターの設定になっているかと思います。

他のギターやキーボードなどの楽器をパンで左右に振ってやると、ボーカルが聞こえやすくなる場合もあります。

ゲインやEQでうまくいかない時は試してみても良いでしょう。

用途は少し違いますが、EQやパンなどの効果については、DTM用のミックスガイドブックも参考になりますよ!

ミキサーの簡単な使い方については別記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。

モニタースピーカーの配置と調整

モニタースピーカーは、パフォーマーが自分自身の演奏を聞くためのスピーカーです。

モニタースピーカーの配置と調整が適切でないとボーカルが自分の声を正確に聞くことができず、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

モニタースピーカーは通常パフォーマーの足元に配置され、パフォーマーに向けて音を送ります。

モニタースピーカーからの音量や音質を適切に調整することで、ボーカルは自分の声をはっきりと聞くことができ、他の楽器とのバランスを取るのに役立ちます。

また、モニタースピーカーの配置も重要です。

モニタースピーカーがパフォーマーから遠すぎると、音が適切に届かない可能性があります。また、モニタースピーカーが他の楽器やマイクに向けられていると、ハウリングの原因となる可能性があります。

これらの音響機材の適切な使い方を理解し、実践することで、ボーカルが聞こえないという問題を大いに改善することができます。

次のセクションでは、バンドメンバーとのコミュニケーションについて見ていきましょう。

バンドメンバーとのコミュニケーション

音響機材の適切な使い方だけでなく、バンドメンバーとの良好なコミュニケーションも、ボーカルが聞こえない問題を解決するための重要な要素です。

ここでは、バンドメンバーとのコミュニケーションの重要性と、その方法について詳しく見ていきましょう。

コミュニケーションの重要性

バンドは一つのチームです。各メンバーが自分のパートを最高に演奏するだけでなく、他のメンバーとのバランスを取ることが求められます。

そのためには、互いの演奏を尊重し、理解し、調整するためのコミュニケーションが不可欠です。

特に、ボーカルが聞こえないという問題は、他の楽器の音量や音色、演奏のタイミングなど、バンド全体の演奏に関わる問題です。

そのため、この問題を解決するためには、全員が協力し、互いに調整することが必要です。

コミュニケーションの方法

バンドメンバーとのコミュニケーションには、以下のような方法があります。

リハーサル時のフィードバック

ライブのリハーサルでは、PAさんとのサウンドチェックの場であると同時にメンバー間のコミュニケーションの場でもあります。

中音でボーカルが聞こえにくいと感じたら、それを他のメンバーとPAさんに伝え、一緒に解決策を考えましょう。

音量・音質バランスの調整

バンドの演奏は、各楽器のバランスが重要です。

ボーカルが聞こえない場合、他の楽器の音量を下げる、またはボーカルの音量を上げるなど、音量バランスを調整することが求められます。

また、ギターアンプのEQをいじることもボーカルを聞こえやすくするために効果的になる場合があります。

これらのコミュニケーションを通じて、バンド全体でボーカルが聞こえるように努力することが、最高のパフォーマンスを生み出す鍵となります。

バンド演奏では自分の楽器の音だけを聞くのではなく、一人一人が全体を聞くように心がけましょう。

まとめ

バンドのボーカルが聞こえないという問題は、音響機材の設定、バンドメンバーの演奏バランスなど、さまざまな要素が複雑に絡み合って生じます。

しかし、これらの要素を理解し適切に対応することで、この問題は解決可能です。

音響機材の適切な使い方は、ボーカルが聞こえない問題を解決するための最も重要なポイントです。

特に、マイクの選択と使い方、ミキサーの設定、モニタースピーカーの配置と調整は、ボーカルの音量と音質に大きな影響を与えます。

また、バンドメンバーとの良好なコミュニケーションも、この問題を解決するための鍵となります。

互いの演奏を尊重し、理解し、調整することで、バンド全体でボーカルが聞こえるように努力することが、最高のパフォーマンスを生み出します。

これらのポイントを押さえ実践することで、ボーカルがしっかりと聞こえ、バンド演奏のクオリティは格段に上がります!

自分の楽器ばかりに集中するのではなく、バンド全体を一つとして見られるようになると問題点もはっきり見えてくるようになりますよ。

この記事が誰かの参考になれば幸いです。

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ABOUT ME
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音響デザイン教室 管理人
音響設計・AVシステム設計をやっている自称アコースティック・エンジニアです。 日常の中で出くわす音のお悩み、音響機器紹介、ノウハウなど音に関することを色んな角度から記事にしていきます。 趣味でバンド活動・DTMをやってます。この辺のノウハウも発信していきます。
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