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ヘッドホンアウトとラインアウトは別物?

Mr.わに

ミキサーからの出力と言えば、ラインアウトですがnanigaヘッドホンアウトも別に付いていますよね?

この2つのアウトは何が違うのかよくわかっていない方もおられるのではないでしょうか?

この記事では、ヘッドホンアウトラインアウトの違いを簡単に解説します。

互換性についても実際に試した結果を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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ラインアウトについて

ラインアウトは簡単に言うと、ラインレベルの信号が出力される端子です。

ラインレベルとは、-20dBu〜4dBu程度の電圧で送られる信号のことです。

機器本体に書いているか機器仕様書を確認してください

詳しくは過去の記事にて解説していますので、そちらも参考にしてください。

ミキサーからのアウトや楽器のキーボードからのアウトは基本ラインレベルです。

ラインレベルで送られた信号はパワーアンプによって増幅され、スピーカーへ届きます。

そうして増幅された信号が、空気を伝って我々の耳に聞こえるレベルにまでなります。

ヘッドホンアウトについて

ヘッドホンアウトは同じくミキサーからのアウトですが、ヘッドホンを接続する用に使われます。

ヘッドホンアウトからは、ミキサー内部のヘッドホンアンプでラインレベルを増幅した信号が出力されています。

つまり、ヘッドホンアウトからの信号はラインアウトの信号よりも大きいレベルになっているのです。

このヘッドホンアンプですが、実は機器単体でも売っています。

これはラインアウトで受けた信号を増幅してヘッドホンアウトとして出力する機器です。

主にヘッドホン出力を持っていない機器に対して使われます。

何が違う?

ヘッドホンアウトはラインレベルを増幅した信号と説明しました。

実はそれ以外にも、いくつか違う点がありますので解説します。

インピーダンス

ヘッドホンアウトとラインアウトでは出力インピーダンスが異なります。

インピーダンスとは電気を通りにくくする抵抗と考えていただければ結構です。

一般的に

ヘッドホンアウトの出力インピーダンスの方が、ラインアウトの出力インピーダンスより小さくなっています。

機器の接続で注意すべきインピーダンスについては、別記事でも解説していますので参考にしてください。

ノイズ

ラインアウトの信号はヘッドアンプを通っていないため、ヘッドホンアウトに比べてノイズは小さいとされています。

ヘッドホンアウトを通るとノイズまで増幅されてしまうため、違う機器に信号を渡すときはラインレベルで渡すことが良いとされています。

【実験1】ヘッドホンアウトをライン入力に繋いでよいのか?

ヘッドホンアウトしかついていない機器もあります

先ほどヘッドホンアウトは違う機器に渡さないほうが良いと説明しましたが、ヘッドホンアウトしかついていない機器ではどうすれば良いのでしょうか?

小さなキーボード等、ヘッドホンアウトしか付いていない機器は意外に多く存在します。

結論から言うと、ヘッドホンアウトをラインアウトと同様に繋いでしまって問題ありません。

ただし、ボリュームを小さいレベルから適切なレベルに調整してください!

ボリュームマックスで接続すると、受け側の規定のレベルを超えてしまう可能性があります。

手持ちのMIDIキーボードMini Play(AKAI)をミキサーへ繋ぎ、スピーカーから音を鳴らしてみました。

ミニステヘッドホン端子しか付いていないので、変換プラグを使用します。

特にノイズが出ることもなく、綺麗にスピーカーから音が鳴りました。

ノイズについては機器に内蔵されているヘッドホンアンプの性能によるので、一度手持ちの機器で試してみてください。

ほとんどの場合、特に気にすることなく接続することができると思います。

【実験2】ライン出力にヘッドホンを繋いでよいのか?

結論から言うと、機器の特性を把握しないままライン出力にヘッドホンアウトは繋がないほうが良いです。

音が聞こえなかったり、また逆に爆音がヘッドホンから流れてしまうこともあります。

CDプレーヤーなどのラインアウトは基本的に音量の調節ができません。

そのため、急に爆音が流れてヘッドホンを壊してしまう可能性もありますので注意してください。

実験として、ミキサーやオーディオインターフェースのラインアウトにヘッドホンを接続してみました。

アナログミキサーのMG10とRolandのオーディオインターフェースの2種類を試しましたが、これらは普通に音を聞くことができました。

しかし、聞こえている音は出力インピーダンスとヘッドホンの入力インピーダンスがマッチングしていないので本来の音ではありません。

(正直聞いてもよくわかりませんでしたが…

ヘッドホンアウトがついていない機器にヘッドホンを接続したいときは、ヘッドホンアンプを使用しましょう。

マッキーのヘッドホンアンプHM-4 

ヘッドホンアウトのある機器は機器内部でやっていることを、機器の外でやってあげれば良いのです。

まとめ

ヘッドホンアウトとラインアウトの違いについて解説しました。

  • ヘッドホンアウトはラインアウトの信号をヘッドホンアンプで増幅させた信号です。
  • ヘッドホンアウトをラインアウトの代わりにすることは可能ですが、ラインアウトにヘッドホンを接続することはNGです。
  • ヘッドホンアウトがない場合は、別でヘッドホンアンプを用意するようにしましょう。

音響機器は端子の形が同じだったり、変換コネクタなどを使えばどこでも繋げてしまいます。

しかし、その中には繋いではいけない接続も存在するので、しっかりとどういった信号が流れているのかを把握できるようにしましょう。

この記事が誰かの参考になれば幸いです。

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ABOUT ME
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Mr.わに
音響デザイン教室 管理人
音響設計・AVシステム設計をやっている自称アコースティック・エンジニアです。 日常の中で出くわす音のお悩み、音響機器紹介、ノウハウなど音に関することを色んな角度から記事にしていきます。 趣味でバンド活動・DTMをやってます。この辺のノウハウも発信していきます。
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