音響の職業を紹介:あなたに合った音響のキャリアを見つける
少なからず音響や音響機材に興味があるあなた、このブログを読んでいただきありがとうございます。
私自身、音響機材を取り扱う仕事をしていますが、音響業界は独特で、なかなか狭く、クローズドな印象があります。
「音響」と一言で言っても、その実態は多種多様で、さまざまな業種が存在し、それぞれに独自の文化があります。
また、音響業界はハードで体力仕事、低賃金というイメージがありますが、それは必ずしも真実ではありません。
元バンドマンの私としては、この業界には大きなメリットがあります。
それは、髪型や服装に寛容なところです。
そんな音響業界に携わる人が少しでも増えることを願い、この記事では音響のお仕事の中でも技術的な職種を7つ紹介します。
また、それぞれの仕事内容、求められるスキル、そしてその魅力と挑戦点について説明します。
あなたが音響のキャリアに興味を持っているなら、この記事はあなたにとって参考になると思いますよ!
音響機器メーカー
音響機器メーカーでは、音響機器の製品開発から製造、マーケティングまで、多岐にわたる業務が行われています。
日本のメーカーで代表的なのは、
- YAMAHA
- Roland
- Panasonic
- SONY
- TEAC
など世界的に有名な企業もたくさんあります。
ここでは、メーカーの中でも特に重要な役割を果たすアセンブラーやファブリケーターに焦点を当ててみましょう。
仕事内容と求められるスキル
アセンブラーやファブリケーターは、製品の組み立てや部品の製造を行う職種です。
音響機器メーカーでは、スピーカーやマイク、アンプなどの製品を組み立てたり、それらの部品を製造したりします。
この仕事は、精密な作業が求められ、製品の品質を保つためには高い技術力と経験が必要となります。
また、これらの職種では、製品の設計図を理解し、指示に従って作業を進める能力が求められます。
そのため、比較的学歴が必要とされ、さらに高度な組み立て作業には経験や研修が必要となることが多いです。
音響機器メーカーの魅力と挑戦点
メーカーの魅力は給料が高い点でしょう。
低賃金のイメージが強い音響に仕事の中では比較的高めだと思います。
また、外資メーカーであればさらに給料は望めるでしょう。
一方で、製品の品質を保つための高い技術力と経験が求められるため、技術の習得やスキルアップに努める必要があります。
また、製品の需要が変動する業界であるため、市場の動向を見極め、適切な製品開発を行う能力も重要となります。
システムインテグレーター
システムインテグレーターは、音響システムの設計、導入、運用を行う職種です。
私自身、もう何年もこの仕事をしていますので、生の声をご紹介できます。笑
システムインテグレーターは、顧客のニーズに合わせて最適な音響システムを提供し、そのパフォーマンスを最大限に引き出すための調整を行います。
仕事内容と求められるスキル
システムインテグレーターは、顧客の要件を理解し、それに基づいて音響システムの設計を行います。
アミューズメントパークの音響設備や、映画館、ショッピングモール、ミュージアム、学校など、音響システムはどこにでも必要なものです。
これらの施設にあったシステムの設計、導入と運用を担当し、システムが正しく機能するように保証します。
場合によっては、導入後の保守まで担当することとなります。
この職種では、電気工学や電子工学の知識が必要となります。
また、具体的なシステムの設計や導入を行うためには、音響機器や制御機器の知識と経験も求められます。
さらに、顧客や他システムとの連携などのコミュニケーション能力も重要となります。
顧客の要件を正確に理解し、それを具体的なシステム設計に反映させるためには、明確なコミュニケーションが不可欠です。
システムインテグレーターの魅力と挑戦点
システムインテグレーターの魅力は、音響システムの全体像を把握し、それを形にすることができる点です。
顧客の要件からシステム設計、導入、運用までを一手に担うことで、音響システムの可能性を最大限に引き出すことができます。
一方で、近年クオリティよりコストを優先させる顧客も多く、自分の思うように設計できないのも確かです。
また、顧客の要件を正確に理解する必要があるため、打ち合わせなども多く拘束時間が長くなりがちです。
保守まで担当すると、不具合のたびに呼ばれるので気が休まらないこともしばしば。。
しかし、システムインテグレーターは、1メーカーだけでなく多種多様な機材に触れるので、私のような機材大好きな人にはオススメの職業です。
ライブサウンドエンジニア
ライブサウンドエンジニアは、ライブパフォーマンスやイベントでの音響を担当する職種です。
バンドについてツアーに回る人もいれば、ハコつきと言って、ライブハウスやホールなどに常駐している人もいます。
彼らは、パフォーマンスが最高の状態で聴衆に届くように、音響システムの設定と操作を行います。
また、場合によっては機器の設営や撤去なども担当することがあります。
仕事内容と求められるスキル
ライブサウンドエンジニアの主な仕事は、ライブパフォーマンスやイベントでの音響システムの設定と操作です。
これには、マイクの設置、スピーカーの配置、ミキサーの操作などが含まれます。
また、パフォーマンス中に音響の調整を行い、最適な音質を保つことも重要な役割です。
この職種では、音響機器の操作方法と音響理論の知識が必要となります。
また、ライブイベントでは予期しない問題が発生することもあるため、迅速な判断力と問題解決能力も求められます。
ライブサウンドエンジニアの魅力と挑戦点
ライブサウンドエンジニアの魅力は、ライブパフォーマンスの成功に直接貢献できることです。
パフォーマンスの音質が聴衆の体験に大きな影響を与えるため、自分のスキルが直接結果に反映されるという達成感を得ることができます。
一方で、ライブイベントは予期しない問題が発生することがあるため、高いストレス耐性と問題解決能力が求められます。
また、イベントは夜間や週末に集中することが多いため、不規則な勤務時間に対応できる柔軟性も必要となります。
いくつか現場を回っていると近年、現場に出ているエンジニアは女性の方が多くなっているのでは?とも思います。
知り合いのエンジニアスタッフ曰く、メンズの方がメンタルが弱く辞めていくからだそうです。。笑
放送局
放送局では、テレビやラジオの番組制作において、音響が重要な役割を果たします。
放送局の音響スタッフは、番組の音響品質を保つために、様々な音響機器の設定と操作を行います。
また、音響機材の保守を放送局の技術スタッフで行うこともあります。
仕事内容と求められるスキル
放送局の音響スタッフは、番組の音響設定を行い、放送中の音響品質を保つ役割を果たします。
これには、マイクの設定、ミキシングボードの操作、音響エフェクトの適用などが含まれます。
この職種では、音響機器の操作方法と音響理論の知識が必要となります。
また、ライブ放送では予期しない問題が発生することもあるため、迅速な判断力と問題解決能力も求められます。
私の印象だと、放送局の技術スタッフは、見た目はラフでも高学歴でキッチリした考えを持つ人が多いです。
放送局の魅力と挑戦点
放送局で働く魅力の一つは、多くの人々に向けて自分の作業が直接届くという点です。
自分が操作した音響設定が、視聴者の家庭や車、スマートフォンなどで聞かれるというのは、大きな達成感を感じることができます。
一方で、放送は予期しない問題が発生することがあるため、高いストレス耐性と問題解決能力が求められます。
また、放送時間に合わせた勤務時間が必要となるため、夜間や週末の勤務があることも覚悟する必要があります。
楽器店
楽器店では、音響機器や楽器の販売を行うとともに、顧客に対するアドバイスやサポートも提供します。
楽器店のスタッフは、顧客が求める商品を見つけ、それが自分のニーズに最適であることを確認するのを助けます。
今まで紹介してきた職種は法人相手が多いですが、楽器店は消費者に直接接することができる職種でもありますね。
仕事内容と求められるスキル
楽器店のスタッフは、店内の商品を管理し、顧客に対して商品の情報を提供します。
また、顧客が求める商品を見つけるのを助け、商品の使用方法やメンテナンスについてのアドバイスを提供します。
この職種では、音響機器や楽器の知識が必要となります。
また、顧客サービスのスキルも重要で、顧客のニーズを理解し、それに応じた商品を提案する能力が求められます。
楽器店の魅力と挑戦点
楽器店で働く魅力の一つは、音楽や音響機器に囲まれて働くことができる点です。
また、顧客が求める商品を見つける喜びや、音楽に関する知識を共有することができるという点も魅力的です。
一方で、この職種の挑戦点は、広範な商品知識が求められることです。
さまざまな種類の音響機器や楽器についての知識を持つ必要があります。
また、顧客のニーズに応じた商品を提案するためのコミュニケーション能力も求められます。
アコースティックエンジニア
アコースティックエンジニアは、聞き慣れないかもしれませんが建築音響の技術職です。
音響や振動に関する科学的な知識を活用して、音の品質を向上させたり、ノイズを制御したりする職種です。
彼らは、建築物の設計から音響機器の開発、環境ノイズの管理まで、様々な分野で活躍します。
ホールやスタジオなど、どんだけ良い機材と良いオペレーターを揃えても、それを鳴らす環境が悪ければ、全て台無しです。
音を鳴らす環境そのものを作り込んでいくのがアコースティクエンジニアになります。
仕事内容と求められるスキル
アコースティックエンジニアは、音響や振動に関する問題を解決するために、科学的な知識と技術を活用します。
具体的には、建築物の音響設計、音響機器の開発、環境ノイズの管理などが主な仕事内容となります。
この職種では、音響学や建築工学の知識が必要となります。
さらに、問題解決能力や創造性も重要なスキルとなります。
アコースティックエンジニアの魅力と挑戦点
アコースティックエンジニアの魅力は、科学的な知識を活用して具体的な問題を解決することができる点です。
また、音響や振動に関する専門的な知識を活用して、人々の生活の質を向上させることができます。
一方で、この職種は建築業化に属することが多いので、他の業種ほどラフな格好で仕事をすることは難しいかもしれません。
ホールやスタジオなど華やかな仕事ばかりでもなく、工場騒音や不具合対応といった仕事が多いのも実情です。
音響の仕事に就くには?
音響に関連する職種に就くためには、まず自分がどの分野に興味があるのか、どのようなスキルや知識を持っているのかを明確にすることが重要です。
個人的な感覚ですが、この業界は非常に狭いため、コネや紹介で会社に入る人も多いかもしれません。
逆に言えば、一度業界に入ってしまえば、人脈を通じて様々な会社や職種の経験をすることも可能かと思います。
ここでは、音響の仕事に就く方法をいくつか紹介しますね。
バイトから始める
もしこれを読んでいるあなたが学生で、音響の仕事をしてみたいのであれば、まずバイトから始めることをお勧めします。
バイトとは言え、関わり方次第で人脈や知識を十分に得ることができます。
私自身、学生時代にライブハウスでバイトしていましたが、そこで機材の基本的な知識や使い方を学ぶことができました。
ただし、ライブハウスやスタジオなど未経験者歓迎の求人はなかなか無いのも現実です。
まずは他ジャンルを取り扱っているバイト求人サイト登録しておき、良い求人が出たらすぐ応募するようにしましょう。
また、コンサートスタッフなどの単発バイトで業界の雰囲気を味わってみるのもいいかもしれません。
転職サイトを利用する
すでに社会人であり、音響業界に入りたいのであれば、転職サイトを利用することをおすすめします。
特に、リクルーターが付いてくれる転職サイトを強くお勧めします。
転職サイトでは一般に公開されていない求人を持っていることが多く、リクルーターの推薦がなければ応募すらできないこともよくあります。
私自身、転職サイトを利用して転職した経験がありますが、その時は某有名テーマパークの音響設備に関わる仕事の求人もありました。
コロナ禍でしばらくこの業界の求人は少なかったですが、アフターコロナの今、また求人が増えつつあるという話も聞いています。
業界に飛び込むならまさに今がチャンスでしょう。
同業界人に相談する
既に音響業界で働いていて、会社や環境を変えたいのであれば、同業界の知り合いに話してみるのも有効です。
あなたが有能な人であればある程度、欲しいと言ってくれる会社もあるでしょう。
周りを見ていると、この方法で転職している人が一番多いような気がします。
元々知っている人であれば、ミスマッチは起こりにくいため、会社からすれば効率的かもしれませんね。
まずは仲の良い人に軽く話してみてはいかがでしょうか?
ただし、狭い業界ゆえに悪い噂も広まりやすいのも事実です。
相談するのであれば、最低限、今の仕事を十分にこなせるようになってから相談することをおすすめします!
まとめ
音響に関連する職種は多岐にわたり、それぞれが特有のスキルや知識を必要とします。
これらの職種は、音響に関する知識や技術を活用して、人々の生活の質を向上させる重要な役割を果たしています。
これらの職種に興味がある方は、自分のスキルや興味に合った職種を見つけ、音響の世界でキャリアを築いてみてはいかがでしょうか。